広橋桂子について~「4人の箱」から
Posted on February 14th, 2014
広橋桂子について~「4人の箱」
広橋桂子さんという方は、oldsogenbotで紹介する中では、特に目立つ名前というわけではありません。
でも実は、初期のもので点数が少ないタイトルの中では、結構広橋さんの装丁が多いんです。
もっと紹介すべきなのにできていない、というべき存在です。
参照(他のサイトより):


とは言え、持っている本の装丁だけを見ても、シンプルな図形の配置が好きです。
botで紹介済みの中にも、次のような作品があります。
『赤い館の秘密』 A.A.ミルン (カバー:広橋桂子/39版 1975) 横顔マーク

『死者の入江』 カトリーヌ・アルレー (カバー:広橋桂子/9版 1971) 猫マーク

『死の匂い』 カトリーヌ・アルレー (カバー:広橋桂子/8版 1974) 猫マーク

『ガラスの鍵』 ダシール・ハメット (カバー:広橋桂子/10版 1974) 拳銃マーク

ところでこの広橋さん、他にbotで紹介しているデザイナーに比べると、ネット情報ではあまり詳細がわかりませんでした。
そんな中、詳細が載っていそうな書籍を見ることができたので、今回はその書籍「4人の箱」から、広橋さんについて簡単に紹介します。
この書籍は、以下の4人のデザイナーについて、実際のパッケージデザイン、および「箱」というコンセプトにしたがった作品を収めたものです。
- 秋月繁
- 鹿目尚志
- 木村勝
- 広橋桂子
広橋さんについて、まずその略歴を巻末から紹介します。
1931年、東京に生まれる。1954年、東京芸術大学美術学部図案科卒業、同年森永製菓入社、製品計画課勤務。1962年、森永製菓退社。ヒロハシデザイン室を主宰。1965年、日本パッケージデザイン協会会員賞受賞。1966-76年、東京芸術大学非常勤講師。1978年、玉川大学助教授。現在、日本パッケージデザイン協会会員、東京デザイナーズスペース会員、日本グラフィックデザイナー協会会員。
パッケージデザインが主戦場の方のようですね。
以下、何点か作品をご紹介。

渋い。今も使われてたらかっこいいな

世代的には、ぎりぎり小さい頃はスーパーにこういうデザインも並んでたかなぁ、というおぼろげな記憶が。日本製品としては古くさいのかもしれないけど、逆に、今なら輸入品にならありそう。

逆にこんな和風なデザインも!
今はこの包装は残ってないのかな。
驚いたのは、あの「パールライス」(全農パールライス東日本株式会社)のロゴなどを担当したのが広橋さんだったということ。
このデザイン、馴染みが深いのは田舎出身者だけでしょうか?

ちなみに、広橋さんの章のタイトルページには、こんなデザイン(とサイン)が。
創元推理文庫の装丁に近いものがありますよね。

以上、広橋桂子さんのご紹介でした。
あぁ、どこかに「チョールフォント荘」や「最初の事件」が転がっていないかなぁ!
